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歩行の一歩目は神経回路が異なる〜運動連鎖と神経制御の視点〜

Gait initiation(歩行の一歩目)への介入

歩行は一歩目とそれ以降では働いている神経回路が異なります。歩行は基本的には自動メカニズムのため、意識下に上らずにも無意識の中で起こる運動です。

その無意識の運動は「Central Pattern Generator:CPG」という神経回路が脳から独立して働くことで、変化する環境に適応しながら自律歩行を成立させています。

しかし、歩行における第一歩目は神経回路が異なります。

Gait initiation(第一歩目)は運動野の4野あるいは6野から遊脚側への運動指令から始まります。

この指令は皮質脊髄路を通り、延髄交叉をした後に、遊脚側の延髄核へ刺激が入力され延髄網様体脊髄路を働かせ、遊脚まで至ります。

その際、立脚側の橋網様体脊髄路も同時に刺激され、遊脚に先行して、立脚側の体幹と骨盤の伸展活動が促通されます。

この伸展活動による頭側への加速度が前庭核に伝わり、橋に対して抑制性の指令を出すことで必要最低限の筋緊張のみで伸展を保持することができます。

この遊脚側・立脚側への神経制御が破綻してしまうと、伸展活動に対する筋緊張が過剰となります。これによって、歩行における体軸内回旋が生じなくなり、自動化されたあともその影響を受けることになります。

歩行になると歩行中の歩容に視点が向きやすいですが、随意的に近い歩行の第一歩目に視点を向けることも必要です。

歩行の第一歩目に変化が出るだけでもその後の連続した歩行にも変化を寄与することができます。

歩行時における推進と制動との関係性

歩行は両脚で支持している所から踏み出した脚へ体重の支持を移行させていき、荷重応答しながら反対の脚をさらに前方へ踏み出します。

この時、一歩踏み出すといった動作により推進力が生じます。

歩行観察する上で、この推進力は重要であり、注目するポイントになりますが、歩行において求められるのは推進力を止める制動力が必要です。

一歩前に出した下肢の制動力があることで、拮抗する推進力が生じ、テコの様に連続した下肢の振り出しが行えます。

そのため、一歩前に下肢を振り出すことも重要ですが、制動力が生じる踵接地も合わせて必要です。

この制動力が乏しいと、衝撃吸収ができず、荷重応答が困難となります。荷重応答ができないと代償動作が増え、代償的な歩行となってしまいます。

そうなってしまうと歩幅は狭くなり、骨盤の回旋が狭小化し、上部体幹の回旋性も乏しくなり、上肢の振りが減少してしまいます。

そのため、十分な歩幅が確保できず、歩行率が低下することとなります。

歩行観察や歩行へアプローチするときは、下肢の振り出しも大切ですが、それを受け止める制動力が備わっているか分析することが大切です。

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